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ボーイスカウトとは

イギリスのブラウンシー島

スカウトとは ~それは小さなキャンプから始まりました~

ロバート・ベーデン・パウエル卿

© 公益財団法人ボーイスカウト日本連盟

「スカウト」とは、元々は「斥候」という意味ですが、私たちは「先駆者」「道を切り開く人」という意味で使っています。ボーイスカウトという運動が生まれたのは、実は100年以上前にさかのぼります。

 

創始者は、イギリスのロバート・ベーデン・パウエル卿(1857-1941)です。自身のインドやアフリカでの豊富なフィールド経験を活かして、青少年の教育活動が出来ないかと考えていた彼は、当時インディアンのウッドクラフト(森林生活法)を青少年教育に取り入れていたアメリカのシートン(「シートン動物記」で有名)や軍隊・教会・さまざまな青少年団体と積極的に交流し研究します。

 

その後、彼が自身の体験にもとづいてフィールドでのスカウティング(斥候術)について大人向けに書いた著書が意外にも子どもたちに大きな反響を得たため、彼は1907年にイギリスのブラウンシー島という無人島に20人の少年を連れてキャンプを行います。この実験キャンプで手応えを得た彼は、少年たちが野外生活でたくましさを磨き、将来社会に役立つ人間へと成長することを願って、「スカウティング・フォア・ボーイズ(少年のための斥候術)」という本を執筆します。この本は冒険と野外活動にあこがれる子どもたちの間でベストセラーとなり、大勢の子どもたちが本を買って各地でボーイスカウト活動を始め、自然発生的にこの運動が誕生したと言われています。

ボーイスカウト教育には、ベーデン・パウエル卿自身が経験してきたフィールド体験や、アフリカの部族から学んだこと、シートンから学んだウッドクラフト、騎士道精神、信仰を尊重し大切にする精神とさまざまな要素が入っています。野外生活の中でたくましさを培い、人のため、社会のために尽くす人間づくりを目指そうというこの平和的な運動は、その後世界に広がり、今では世界164の国と地域で約4,000万人が活動する世界最大の青少年教育団体の一つです。日本では1922年に誕生し現在115,179人(平成28年3月現在)の加盟員がおり、日本連盟は文部科学省所管の公益財団法人となっています。なお、女子の加入も世界的に広がり、日本連盟でも1995年に全部門への加入が始まり、今ではたくさんの女子スカウトが活躍しています。

この活動で育った優秀な人材は様々な方面で活躍しており、例えばアメリカのNASA(航空宇宙局)がこれまで生んだ宇宙飛行士の2/3以上がスカウト出身者であるとNASAは公表しています。月面を歩いた12人の宇宙飛行士の中で、アームストロング船長含む11人がスカウト出身です。宇宙飛行士といえば、たぐいまれない探究心、たくましい精神力、強靭な体力が要求されるのは私たちでも想像できるものですが、日本人として初めて国際宇宙ステーションのクルーに選ばれた宇宙飛行士の野口聡一さん(スカウト経験者・日本連盟アンバサダー)がおっしゃるには、宇宙ステーションでの生活でとても必要な各国クルーとの「チームワーク」がスカウト経験で養われていると評価されたのだそうです。ボーイスカウト運動が世界的にも認められていることがわかるエピソードだと思います。

ボーイスカウトが目指すもの

世界中のボーイスカウトが

“Creating a better world.” 

(より良き社会を作る)を

共通の展望としています。

より良き社会人の育成を目指しています。

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